イベントに参加した上海在住の女性、張怡寧(ちょう・いねい)さん(23)は、「子供のころから自分の好きなアニメの声はどんな人が演じているのかに興味をひかれ、日本語も自分で必死に勉強しました」と目を輝かせた。中国のアニメファンは日本語能力が高く、この日のイベントでも通訳が中国語に訳すまでもなく、来場者たちはボケやツッコミにもすぐ反応し、笑いにつつまれていた。
イベントを企画したのは北京の有名校、清華大学のアニメサークル「次世代動漫社」だ。動漫はアニメの意味で、サークルには卒業生を含め600人のメンバーがいる。清華大で電気工学を学んで博士号を得たOBの于智為(う・ちい)さん(32)は、「日中関係の悪化でここ数年、イベント開催には問題も生じたが、上海では民間劇場で開催できたのがうれしい。われわれが大好きなアニメに国境などない」と話した。于さんもアニメをきっかけに独学で日本語を習得した一人だ。