≪中国高裁、上訴を棄却≫
中国で収賄などの罪で失脚し、訴追された元重慶市共産党委員会書記、薄煕来被告(64)の上訴審判決で、山東省高級人民法院(高裁)は10月25日、被告を無期懲役とした1審判決を支持し、薄被告の上訴を退けた。中国は2審制で、これで薄被告の刑が確定した。
中国の最高指導部入りが有力視された薄被告の一連の事件は、1審判決からわずか1カ月で司法決着が図られた。11月に開かれる党第18期中央委員会第3回総会(3中総会)を控え、習近平指導部は事件の幕引きを急ぐことで、政権の基盤固めを狙ったかたちだ。
高裁は「1審の犯罪の認定は正確で量刑も妥当だ」と指摘。公判後の高裁の記者会見では、判決文を簡単に説明する内容にとどまった。薄被告は1審で自ら証人を追及して“陰謀”を主張するなど、検察側との全面対決を演じた。上訴審は書面による審理だけで、被告によるこうした法廷戦術は封じられた。