薄被告を支持する保守派の台頭など、収監中に党内の権力構造に変化が生じれば、薄被告の“復権”もあながち夢ではなくなる。
毛沢東時代の手法で重慶の大衆を動かし、党中央に圧力をかけて最高指導部入りの機会までうかがった薄被告の影響力を、習指導部は判決を区切りにどこまで一掃できるのか。11月に開催する共産党の3中総会を経て、権力基盤固めと政権への求心力を高めることが急務となる。(済南=中国山東省 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)
■薄熙来事件 薄被告の元側近が昨年2月、中国四川省成都の米総領事館に駆け込んだのを受け、温家宝首相(当時)は薄被告の責任を問う姿勢を示し、薄被告は重慶市トップを解任された。その後、妻が殺人事件を起こしていたことが公表され、調査が本格化。薄被告は収賄、横領、職権乱用の罪に問われ、今年9月の1審判決で無期懲役を言い渡された。(共同)