≪ハルビン市では高速道路閉鎖≫
中国東北部は10月20日から21日にかけて深刻な大気汚染に見舞われた。黒竜江省の省都ハルビン市では、十数メートルほど先の視界も不良とあって交通などに大きな影響が出た。寒冷地の東北部では既に各家庭への暖房の一斉供給が始まっており、暖房のため石炭を燃やしたすすが、大気汚染に拍車をかけたとみられている。近隣国にも不安が広がる中、中国は大気汚染対策にようやく重い腰を上げ始めた。
中国黒竜江省の省都、ハルビン市を包み込んだ大気汚染は、空気質量指数(AQI)が最悪レベルの500を超え、計測不能に陥るほど深刻化した。21日は市内全域の小中学校が臨時休校になったほか、高速道路も一時閉鎖、空の便も欠航や遅延が続出した。
ハルビン市では21日朝、交差点の信号もかすみ、車両は時速20キロ以下のノロノロ運転を強いられた。中国メディアは「10~15メートル先から人の話し声が聞こえるものの、その姿を見ることができなかった」「薬局ではマスクを買い求める人の行列ができた。かつてこんなことはなかった」と報じた。