しかし、石油大手など大量の汚染物質を施設から排出してきた国有企業などから排気対策に反発する動きも出ており、規制の実効性を疑問視する声もある。(上海 河崎真澄/SANKEI EXPRESS)
≪日本への飛来懸念≫
中国でPM2.5による大気汚染が深刻化する中、日本への影響はどうなのか。環境省は、夏場や秋にかけては日本列島へ南からの風が吹きやすいため、中国からの影響はほとんどないとみているものの、「冬になり北西や北からの風が吹くようになると、春先に黄砂が飛来するのと同様、影響が出る恐れがある」として飛来本格化に向け対策を急いでいる。(SANKEI EXPRESS)
■PM2.5 大気中に漂う微粒子のうち直径2.5マイクロメートル以下と特に小さいもの。髪の毛の太さの30分の1と、通常のマスクも通してしまう。主な発生源は工場の煤煙(ばいえん)や車の排ガスで、大量に吸い込むとぜんそく、肺がんなどの健康被害が懸念されている。国の環境基準は大気中の濃度を1年平均で1立方メートル当たり15マイクログラム以下、かつ1日平均で1立方メートル当たり35マイクログラム以下が望ましいとしている。