米紙ニューヨーク・タイムズも1月29日付の社説で、大統領令による最低賃金引き上げは数十万人の生活改善を後押しするとしながらも、「本当に経済状況に影響を与え、数千万人に恩恵をもたらそうとするならば、議会を説得するのが唯一の道だ」とした。
またCNNの世論調査では、オバマ氏が共和党との協調を回避してでも改革を進めるべきと答えたのは全体の30%で、超党派の合意を追求すべきだとする67%を大きく下回っている。このため今後もオバマ氏が共和党への対決姿勢を強めていけば、かえって中間選挙で不利に働く可能性もある。
一方の共和党はこのところ移民制度改革で協議に応じる兆しがあるほか、医療制度改革(オバマケア)に代わる具体的な医療問題の解決策の作成を進めている。昨年(2013年)秋の政府機関閉鎖で非妥協的な反対一辺倒の姿勢を批判されたことを受け、現実的な実行力のアピールに力点を移しつつあるためだが、こちらもどこまで妥協に踏み切れるかなど課題は残る。
オバマ氏、共和党の双方が微妙に立ち位置を修正している状況で、中間選挙の結果にも影響を与えそうだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)