オバマ氏は昨年(2013年)末から、今年を「行動の年」と位置づけており、共和党の反対に屈しない姿勢を強調している。その背景にあるのは11月の中間選挙だ。現時点での予測では、下院では共和党の優位は揺るがず、上院では08年のオバマブームに乗って当選した多数の民主党議員が改選を迎えるため、「現状45議席の共和党が議席を上積みする」との予想が多い。オバマ氏のペンと電話戦略には、中間選挙を前に実行力をアピールしたい思惑も透けてみえる。
ただしオバマ氏が全米の注目が集まる演説で仕掛けた攻勢は空回りに終わった可能性がある。米CNNテレビが演説終了後に行った世論調査では、演説を「非常に良かった」と評価した割合は44%で、昨年(2013年)の53%から大きく減少した。またオバマ氏が経済状況を改善するのに成功すると応えた割合は59%で、こちらも昨年の65%から減少している。
メディアから異論噴出
オバマ氏の戦略には米メディアからも異論が出ている。米紙ワシントン・ポストは1月29日付紙面で、こうした戦略は「法律を変えないために政策の対象が限定される」と指摘。また次の大統領が別の内容の大統領令にサインすれば政策が打ち切られるため、「一時的な効果しか生まない」と批判した。