しかしオバマ氏は今年の演説では、共和党との対決姿勢に重点を置いた。オバマ氏は演説の序盤で「改革のなかには議会の行動が必要なものもある。だが、米国は立ち止まってはいられない。私も同じだ」と述べ、議会での法案審議を回避してでも改革を進める方針を明確にした。
その象徴として打ち出されたのが、最低賃金の引き上げだ。オバマ氏は演説のなかで、連邦政府の契約企業職員らの最低賃金を国の最低賃金より2.85ドル高い時給10.10ドルとする大統領令に署名すると発表。議会では共和党が国全体の最低賃金を引き上げる法案に反対しているが、連邦政府としての取り組みを先行させて共和党に圧力をかけたかたちだ。
「ペンと電話戦略」
オバマ氏はこうした議会回避も辞さない方針を「ペンと電話戦略」と名付けている。ペンを使って大統領令にサインし、電話で議会外からの支援を集めることで、改革を進めようという狙いだ。