【アメリカを読む】
米国で11月5日に行われたバージニア州知事選は1年後の中間選挙に向け、共和、民主の双方に課題を突きつけた。共和党は草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」の支持を受ける候補が破れたことで、10月の政府機関閉鎖で批判される茶会への逆風の強さを痛感させられたかたち。一方、民主党は勝利を収めたものの、医療保険制度改革(オバマケア)への反発の影響で予想外の接戦を強いられ、不安をもたらす結果だったといえる。また同じ日に行われたニュージャージー州知事選では、共和党穏健派で茶会とは一線を画してきた現職、クリス・クリスティー知事(51)が圧勝。クリスティー氏は2016年大統領選挙の有力候補に名乗りを挙げることになったが、全国レベルで強さを発揮できるかには疑問も残る。
「茶会」強硬路線の犠牲者
「茶会の強硬路線が招いた最初の犠牲者は、皮肉にも、茶会が支持する候補者だった」。バージニア大学のラリー・サバト教授(61)は6日の米CNNテレビで、バージニア州知事選での共和党敗北の原因を指摘した。