【アメリカを読む】
バラク・オバマ米大統領(52)は8月31日、内戦が続くシリアのアサド政権に対する軍事行動を取るため、議会の承認を得る手続きを取ると表明した。しかし、米軍の「最高司令官」としての大統領に事前に議会の承認を義務付ける規定はなく、承認が得られなかった場合、「動けない米国」の実態を露呈するリスクを伴う。実際、「多くの人が決断を議会に委ねることに反対した」とオバマ氏自らが認めるように承認を得られるかは不透明な情勢であり、大統領の「ギャンブル」を問題視する声が上がっている。
挙国一致を狙う
オバマ大統領は(8月)31日、ホワイトハウスで会見し、「アサド政権に対して軍事行動を取るべきだと決断した」と表明。そのうえで「軍事行動のための承認を議会に求める。承認を得ることにより米国はより強くなり、われわれの行動もより効果を発揮する」と、挙国一致体制を示すことの有効性を強調した。