米国が2003年、イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を保有しているとする情報分析をもとに、国際社会に「武装解除」の必要性を訴えて開戦に踏み切ったが、戦後の調査で「大量破壊兵器は見つからなかった」と結論づけられたことを踏まえた批判だ。
オバマ政権は、イラク戦争時と異なり、今回は実際に化学兵器とみられる被害にあった人々の映像がインターネットなどを通じて広く公開されていることなどを指摘し、大量破壊兵器の存在自体が確認できなかったイラクのケースとは根本的に違うなどと主張して議会の理解を求めていく考え。また国連安全保障理事会がロシアの反対で強い態度を打ち出せないことを踏まえ、「国際規範への違反に制裁がないと思われれば、人々は制裁を真剣に受け止めない」などと訴えて、米国が行動を起こすことへの理解を求める構えだ。
与野党から反対の声
しかし、オバマ氏の期待にもかかわらず、議会が軍事行動を承認するかどうかは不透明だ。野党・共和党では他国への軍事行動に否定的な草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」の支持を受ける議員らの反対が見込まれる。