また軍事行動に前向きなジョン・マケイン上院議員(77)とリンゼイ・グラム上院議員(58)も(8月)31日、限定的な軍事行動ではアサド政権優位の戦況を覆せないとして「賛成できない」との立場を表明した。ピーター・キング下院議員(69)は「オバマ氏は自らの責任を放棄し、大統領の権限を傷つけている」と批判。大統領が軍事行動を判断する際には「議会の判断は必要ではない」と指摘した。
民主党でもカール・レビン上院議員(79)が、「反体制派へのより効果的な武器の供与」を求める声明を発表し、ミサイル攻撃などの軍事行動には反対する意向を示唆。反戦リベラル派議員たちもシリア攻撃には反対姿勢を取っている。
仮に議会が化学兵器を使ったアサド政権への軍事行動を承認しなかった場合、イランや北朝鮮、テロリストなどに対しても「化学兵器使用を認める」という誤ったメッセージを流しかねない。そうなれば米国はもちろん世界中の安全保障に影響が及ぶことになる。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は(8月)31日、オバマ氏が判断を議会に委ねたことについて、「これまでの任期中で最もリスクが高いギャンブルに出ている」と報じた。(ワシントン支局 小雲規生/SANKEI EXPRESS)