【アメリカを読む】
消費税の引き上げを発表した安倍晋三首相(59)の10月1日の記者会見。「国の信認を維持する」と力強く語るわが国の首相を見て、もはや日米の国政の勢いが逆転したとの思いを禁じ得なかった。ほんの少し前までは民主党政権の迷走で「決められない政治」が常態化していた日本だが、今や一度は地獄を見た首相の強いリーダーシップで物事がさくさくと決まっていく。
かたや米国はどうか。いよいよ「決められない政治」の弊害がきわまり、世界に醜態をさらけ出しているように映る。
上下両院対等の弊害
米国の財政運営のリスクがついに顕在化した。議会の与野党協議の決裂でクリントン政権下の1996年以来、17年ぶりの政府機関の一部閉鎖が現実となり、今月(10月)半ばにはデフォルト(債務不履行)危機も迫る。背景には、機能不全を抱え込んだ国政システムとリーダーシップの漂流がある。