政府機関の閉鎖を招いたのは、2014会計年度(13年10月~14年9月)の予算案が期限の先月(9月)中に成立しなかったため。米国は日本と同じ2院制だが、予算に関しては衆院の優越が認められる日本に対し、米国は上下両院が対等な立場でともに法案を可決する必要がある。よくいえば両院の相互のチェック機能が働く仕組みといえるが、牽制(けんせい)も度が過ぎれば、いつまでも堂々巡りで物事が決まらない。
しかも、今の上院は与党民主党が多数派だが、下院は野党共和党が掌握する「ねじれ議会」だ。やはり最近までねじれ議会が続いた日本も、衆院の優越があるゆえに、予算が通らずに国政が行き詰まるという悲劇は避けられた。
中間選挙にらみ硬直化
しかも、財政運営をめぐり与野党には埋めがたい溝がある。社会保障充実に増税も辞さない与党民主党に対し、野党共和党は歳出削減が先決と反発する。
予算協議の焦点となった医療保険改革(オバマケア)は、バラク・オバマ大統領(52)が金融規制改革と並ぶ目玉と位置づけた重要施策。手厚い社会保障で「大きな政府」を掲げる民主党にとって、「国民皆保険」に向けたオバマケアの実現はまさにカギとなるからで、民主党のハリー・リード上院院内総務(73)も「(先送りなどの)修正は認めない」と強硬だ。