予備選が不安の議員たち
ナショナル・レビュー誌のラメシュ・ポヌール氏も、ニュージャージー州知事選で大勝した共和党のクリス・クリスティー知事(51)が同性婚容認の州法案に拒否権を行使したことがあることに触れ、「社会問題での保守的な立場自体が政治的な死刑宣告になるわけではない」と論じている。
来年11月に中間選挙を控える共和党議員にとっては、茶会の意に沿わない態度を取れば、党内の候補者を決める予備選で茶会に対立候補を擁立されてしまうという不安もある。たとえ茶会系候補の勝算が高くないとしても、予備選の活動費がかさむという現実問題は大きい。
超党派委員会で合意したはずの予算案の採決でも、下院では共和党から62人が反対。上院では36人が反対し、共和党からの賛成者はわずかに9人だった。ベイナー氏は反対一辺倒の茶会と決別して、民主党との妥協を重ねてでも責任を果たす政治にかじを切ろうしているようだが、共和党内が一枚岩で固まっているとは言い難いようだ。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)