中絶反対で逃げる女性票
保守系雑誌ナショナル・レビューのリッチ・ローリー氏は共和党に対して「保守主義を改革する戦略を示し、有権者の日常問題に取り組む」ことの重要性を指摘していた。ベイナー氏が今回の予算協議で民主党との妥協に踏み切ったのも、こうした声に応えようとした結果だといえる。
一方、共和党は茶会が主張している中絶反対などの社会問題から距離をとるべきだとの声もある。
バージニア州知事選では、共和党候補が中絶に否定的な立場を「女性の中絶を選ぶ権利を無視している」と批判され、女性票で9ポイントの差をつけられて敗れるなど、社会問題への態度が逆風を呼ぶ懸念があるからだ。
しかしこうした見方には反論もある。保守系コメンテーターのマギー・ギャラガー氏は米国では中絶などをめぐる賛否は拮抗(きっこう)しており、茶会の関心が高い社会問題を棚上げすることは民主党を利すると主張。共和党候補の敗因は、中絶に否定的な立場をとりながら民主党の批判を恐れて堂々と議論せず、「過激な主張を隠している」と思われたことにあるとの分析だ。