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書きながら物語の力、言葉の力に励まされた 「新釈 にっぽん昔話」作家 乃南アサさん (1/5ページ)

2013.12.16 14:30

誰もが親しんだ昔話を独自の解釈でよみがえらせた、作家の乃南(のなみ)アサさん=東京都千代田区(大山実撮影)

誰もが親しんだ昔話を独自の解釈でよみがえらせた、作家の乃南(のなみ)アサさん=東京都千代田区(大山実撮影)【拡大】

  • 執筆のきっかけは東日本大震災。「一時でも目の前の辛い現実を忘れてもらえれば」と話す、作家の乃南(のなみ)アサさん=東京都千代田区(大山実撮影)
  • 「新釈_にっぽん昔話」(乃南アサ著/文芸春秋、1733円、提供写真)

 【本の話をしよう】

 ≪被災者につらい現実忘れてほしい≫

 鋭い心理描写で支持を得る直木賞作家、乃南(のなみ)アサさん(53)の新刊『新釈 にっぽん昔話』。タイトル通り、乃南流の解釈で誰もが一度は読んだあの昔話をよみがえらせた。かつて子供だった大人から、現役(?)の子供まで。読む者の胸をわくわくと躍らせてくれる。

 本書に収められているのは、6つの“昔話”。「さるとかに」(さるかに合戦)、「花咲かじじい」「一寸法師」「三枚のお札」「笠地蔵」「犬と猫とうろこ玉」…。ラインアップを見るだけで、懐かしさがこみ上げてくる。

 周りの人を想像しつつ

 ミステリー『凍える牙』などで知られる乃南さんと、昔話。一見意外な組み合わせだが、きっかけは東日本大震災だった。震災発生当日、仕事で偶然仙台市に滞在中だった。翌日、運良く東京まで帰り着くことができたが、心の中にはある種の「後ろめたさ」が膨らんでいったという。

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