共演の段田は「憧れの人」。「日々、掛け合いで稽古するのが、とても楽しい」という。演技体力を鍛える道場での日々も、「動いてみて、違う、うまくいかないな…とやっていると何回かに1回、役の了見が、はっとわかることがある」と感覚を語るが、「でも次に同じせりふを演じても、頭で解釈しちゃってて、面白くなくなっちゃってるんですよね。日々、新鮮にやるコツは忘れること、ってことですね」と、舞台ならではの難しさも口にした。
俳優になったのは必然
父(柄本明)も母(角替和枝)も演技派で鳴らす俳優一家。俳優になったのは「もう完全に環境から」。「学校から家に帰れば、両親は映画を見ているか、映画の話をしているか、家にいないか。『今日学校どうだった』なんて一度も聞かれたことがないですね」。少年の頃、学校が終わると父・明らがいる劇場に行き、楽屋にランドセルを放り投げると「インディ・ジョーンズの洞窟のような」舞台裏を冒険した。