任侠の世界をモチーフに、人間の心のひだをつぶさに描いた岩松了(61)書き下ろしの舞台「シダの群れ 第三弾 港の女歌手編」が6日からBunkamuraシアターコクーン(東京)で上演される。港町のクラブ歌手で新天地を夢見るジーナを小泉今日子(47)が、クラブに流れ着いた一匹狼・森本を阿部サダヲ(43)が演じる。本番がせまる中、稽古場を訪ねると、充実した表情で芝居に取り組む小泉と阿部の姿があった。
ものすごくやりやすい
――共演はドラマ「私立探偵濱マイク」(2002年)以来?
小泉 あの時はロケバスでちらっと一緒になった程度で。ちゃんとお仕事するのは初めて。
阿部 小泉さん、本当に後輩に優しいんです。若い俳優さんに的確な助言をされたり。昨日も食事会のあと電車が終わって帰れなくなったテンちゃん(中国人歌手役の桜木テン)を自宅に泊めてたし。俺もそんなふうになろっと。
小泉 (照れたように笑って)岩松さんのおっしゃることが本当に分かっているかな、と思ったとき(若い俳優に)「こうなのかもね」って言うことはあります。阿部さんは、相手役の次のセリフ、次の動きをわかってくれて、ものすごくやりやすい。そりゃ、ひっぱりだこでしょうよ、って。