日本から世界に向け、舞台芸術の今を発信する祭典「フェスティバル/トーキョー(F/T)」が東京・池袋エリアを中心に12月8日まで開催されている。2009年の初開催から数えて6回目となる今年は、「物語を旅する」がテーマ。東日本大震災後、圧倒的な現実を前に、一度は言葉を失いかけていたアーティストたちが、いよいよどんな物語を紡ぎだして提示するのか、注目が集まっている。
「震災後の日本では、ますます『大きな物語』への同調圧力が高まっている。しかし芸術は個人に根ざしています。アーティストは自分と社会、自分と時代を必死につかんで、未来に投げようとしている」とF/Tの相馬千秋プログラム・ディレクター(38)は語る。