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劇を見て優しい気持ちになれれば 舞台「イーハトーボの劇列車」 大和田美帆さんインタビュー (1/3ページ)

2013.10.19 17:50

 しんと研ぎ澄まされた美しい言葉で、詩や物語の数々を生んだ宮沢賢治の後半生を描いた、井上ひさしの戯曲「イーハトーボの劇列車」(鵜山仁演出)が、14年ぶりに再演されている。出身地の東北の人々や自然を温かく見つめ続けた賢治と井上。2人のまなざしが重なり合う舞台で、大和田美帆(30)が、賢治の一番の理解者で、夭逝した2歳違いの妹とし子(本名・トシ)を演じている。

 初演は1980年。井上が描いたのは、「人々が明るく生きるように」と理想に突き進むものの、食うや食わずの農民にエスペラント語を広げたりして、世間からは理解されずに生涯を終えた賢治(井上芳雄)だ。とし子は兄の行く末を案じ、ただ一人、優しいまなざしを向け続けた。「物静かなとし子はせりふも少なく、最初はとらえどころがないと感じました。けれど賢いがゆえに悩み、賢治同様に生きづらさを抱えていた。そんな一面をいとおしく感じました」。唯一の理解者の死から4年後、賢治は教師を辞め、ますます理想の実現へと突き進んだ。

農民が託す「広場があれば」という「思い残し切符」

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