その後、11日にはAQAPに関わる在外公館閉鎖は在イエメン米大使館を除いて解除された。しかし、オバマ政権の一連の対応はテロ対策の信頼性に焦点を当てる結果となったといえる。
オバマ大統領には、昨年9月にリビア東部ベンガジの米総領事館が襲撃を受け、大使ら4人が死亡した事件が大統領選で攻撃材料にされたという苦い経験がある。米中央情報局(CIA)元職員のマイク・ベーカー氏は、今回の「過剰反応」はテロ対策の観点から引き起こされたというよりも、「もう一度ベンガジと同じような事態で人命が失われた場合の政治的な影響の大きさが考慮された結果だった」と指摘している。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)