オバマ大統領はこれまで、テロとの戦いでの成果を強調してきた。昨年の大統領選では、アルカーイダの最高指導者ウサマ・ビンラーディン容疑者の殺害を1期目の成果として何度も語り、テロ組織に打撃を与えたと主張。今年5月の演説では、アフガニスタンやパキスタンのアルカーイダについて「敗退の道をたどっている」とし、「現在の脅威は米中枢同時テロ以前の水準に近い」と話していた。
しかし、今回の在外公館閉鎖などの対応は「テロの脅威」の存在を強く印象づけた。下院情報委員会のピーター・キング議員(69)は6日のテレビ番組で「大統領はアルカーイダを打ち負かしつつあるかのように振る舞ってきた」と述べ、オバマ政権の認識の甘さを指摘。ルイ・ゴメルト下院議員(59)は「オバマ大統領はきれい事の演説をして、上手く誠意を示せば、みんなが米国を愛してくれると考えていたが、そうではなかった」と痛烈な批判を展開した。
「過剰反応」との声も
また、オバマ政権の対応には「過剰反応」との声も挙がった。19カ所もの在外公館が1週間にわたって閉鎖されたのは異例の事態で、米国がテロリストの脅迫に屈したとも受け取られかねないからだ。