【アメリカを読む】
米中が外交・経済問題について話し合う第5回戦略・経済対話が7月10、11日の両日、ワシントンで開かれた。両国はお互いの国への投資をしやすくするルールを定める投資協定の締結協議を加速させることで合意。また、エネルギー政策などで共同歩調を取ることでも一致し、ウィン-ウィンの関係に近づいたとも言える。ただ、人権の尊重など国際社会のルールをめぐっては、両国の間には深い溝が横たわっている。最強の国家として国際社会で位置づけられる米国と、21世紀に入ってから最大の新興国として存在感を示してきた中国は協調を目指してはいるものの、その先行きは不透明だ。
ウィン-ウィンの関係
「財務長官は私よりも頭がいい。おかげで協議を前進させることができた」。中国の汪洋副首相(58)は11日の閉幕時の共同会見でジャック・ルー財務長官(57)に賛辞を贈り、笑顔で握手を交わした。
汪副首相が会合に満足感を示したのは、6月の米中首脳会談で習近平国家主席(60)がバラク・オバマ大統領(51)に対して「新型大国関係」という言葉で示した、ウィン-ウィンの関係の足がかりを得ることができたと考えているからだ。