沿線に高学歴層が多く、その層によいサービスを提供しているのが東急の強みだ。結果、地価も上昇していく。地域全体が、好循環の中にあるといえるだろう。
汎用性の高い車両たち
鉄道車両自体にも目を向けてみよう。東急の車両は、軽量ステンレス車両がメインである。消費電力も少なく、走りには力はないものの、ランニングコストが安く、使い勝手もいい。
いまや都会の鉄道では少なくなってしまった18メートルの車両を池上線や東急多摩川線で走らせている。これらの線に新車として導入された7000系は、30年後は地方の私鉄で余生を送る。のんびりとした環境で穏やかな生活を送るのか、厳しい環境で一生懸命働くのかは分からないが、さまざまな環境の中で活躍するに違いない。地方の私鉄では、18メートル車が足りないという話がよく出ている。その需要にも応えることになるだろう。
それだけ、東急の車両は優れているのだ。
沿線住民から見ても、ただのロングシートの車両と思われるかもしれない。しかし、使い勝手のよさで地方私鉄からも支持を集めているのが、東急の車両である。