高い就職実績
2007年創設のこの教育課程は大学における女性の再就職教育の先駆け的存在だ。ビジネスで即戦力となる英語、ITリテラシーを必修に、企業会計、金融、内部監査などより実践的な科目を選択できる。創設から今年4月までの累計入学者455人の平均年齢(受講時点)は38.9歳。7割近くが既婚者で、出身大学・大学院は日本女子大以外が7割を超える。
特筆されるのは就職実績の高さで、昨年度は就職希望の修了生全員が就職できた。独自に合同会社説明会を開催し、求人サイトも設けるなどきめ細かな対応が実を結んでいる。
この教育課程には企業も一役買っている。総合スーパー大手の西友は、受講生が実際に同社の業務を体験する「セルフリーダーシップ・プログラム」を提供している。今年は8月30日~9月7日のうち6日間、選抜された20人が同社に勤務する女性の働き方に触れ、最終日には4組に分かれ、現場の課題解決策を経営幹部に提案した。
西友は女性従業員比率が高く、利用者も女性が圧倒的に多く、社内外での多面的な女性支援が継続的な事業発展につながるとして14年から毎年プログラムを実施しており、今年度から単位取得できる正規科目となった。リカレント教育課程所長の坂本清恵文学部教授は「教育の場でも再就職に向けたインターンシップ(就業体験)が求められており、グループワークでインターンを経験できる良い機会」と評価する。
この教育課程には、日本女子大の創設発起人でNHKの連続テレビ小説「あさが来た」の主人公のモデルとなった広岡浅子が創業した大同生命保険の寄付講座もあり、企業との連携を強めている。