■口ぐせ
「辞める」が、口ぐせになっていることもある。くせになっているからこそ、3年間も仕事が続き、人前で平気で言える。くせだから、10~20年後も大きくは変わらないだろう。40~50代になっても、60歳以降も「辞める」と繰り返している可能性がある。本人もそれほど真剣には意識していないし、周囲も気にかける必要はない。むしろ、本人は「辞める」と言わないと、心が落ちつかないはず。くせである場合は、周囲もそのままにしておくべきだ。あえて、「なぜ、辞めるの?」などと聞かないほうがいい。答えられないはずだ。 会社に残る場合も、辞める時も「辞める」「辞める」と何度も口にはしないほうがいい。「辞める」という意思表示は、きわめて重要なもの。安易に口にするべきではないのだ。繰り返していると、信用を間違いなく失う。ビジネスは、信用こそが基本。決して忘れないことだ。
文/吉田典史ジャーナリスト。主に経営・社会分野で記事や本を書く。近著に「会社で落ちこぼれる人の口ぐせ 抜群に出世する人の口ぐせ」(KADOKAWA/中経出版)。
■連載/あるあるビジネス処方箋