しかも、猪俣さんの場合、55歳以降は収入が段階を踏んでダウンすることになってしまった。のんきに構えていた妻も、子供が生まれたのを機に、さすがに将来が不安になった。
「毎月3万円もの赤字があるのに、これから給料が減って、支出が増えたら、どうなるのかしら……」と。
ここは、大胆に家計にメスを入れるしかない。最も大きな改革は、専業主婦だった妻が働きに出ることだった。税金や年金の関係から「103万円(130万円)の壁」といわれることがあるが、そんなことは気にせず稼げるだけ稼いだほうがいい。入るものがなければ、支出のしようも貯蓄のしようもないのだから。そのほうが妻の将来の社会保障だってよくなる。
また、猪俣さんの妻は、働き始めた当初こそ被服費などが増えたが、その後は仕事が忙しくなり、被服費、交際費、娯楽費のいずれも減少した。