■流通業など牽引、前回調査上回る
連合は25日、2016年春闘の回答の第2次集計結果を発表した。賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)と定期昇給を含めた賃上げ率は2.10%で、第1次集計(18日時点)の2.08%を上回った。春闘回答は集計が進むにつれて賃上げ率が低下する傾向があったが、今回は2次集計で加わった流通業などが高い水準の賃上げを獲得したため、賃上げ率が上昇する異例の状況となった。
春闘交渉は例年、3月中旬に自動車、電機、鉄鋼などの大手が一斉回答し、それ以降に中堅、中小企業が順次回答していく。このため回答数が増えれば増えるほど、賃上げ率は低下するのが一般的だ。昨年の賃上げ率も1次集計の2.43%に対し7月1日の最終集計は2.20%に低下した。
今回の2次集計は、1次集計より711増えた計1183の労働組合で算出。集計結果について、連合では「人手不足が深刻になる流通などで、自動車などを上回る賃上げを獲得している組合もある」とし、「内需型産業が賃上げを牽引(けんいん)している」と指摘した。
また、従業員数300人未満の中小企業の賃上げ率は2.07%で、「大手、中小との賃上げ率はほぼ同水準」(連合)となり、同日会見した連合の神津里季生会長は「業種や企業規模にかかわらず全体の賃金を引き上げる“底上げ春闘”に取り組んだ結果が出始めている」と評価した。