あまり知られていませんが、いじめ容認率は子どもよりも大人で高くなっています。
「いじめをしてはいけない」という項目に、否定的な回答をした者の比率(男性)をみると、13~15歳では4.3%、16~19歳では11.4%、20~24歳では16.6%、25~29歳では16.9%となります(内閣府『我が国と諸外国の若者の意識に関する調査』2013年)。
いじめは子どもの問題と捉えられがちですが、大人の社会にもあります。むしろ、前者は後者の引き写しと考えるのが妥当です。
近未来の日本は、人口比の上で「子ども1:大人9」の社会になります。子どもの人間形成にとって、大人が提示するモデルが持つ意味合い(効果)はひときわ大きくなるでしょう。大人社会の歪みは、子どもの育ちに影響する。このテーゼを、われわれは絶えず心に留めておかねばなりますまい。
(武蔵野大学、杏林大学兼任講師 舞田敏彦=文 )(PRESIDENT Online)