2016年春闘は16日、自動車や電機などの集中回答日を迎えた。賃金水準を一律に引き上げるベースアップ(ベア)では、前年を下回る水準での妥結が相次いだ。中国の景気減速や世界的な金融市場の混乱を背景に、企業経営者が業績の先行きに不安を感じているためで、ベアを実施する企業は多いものの、賃金の上昇による「経済の好循環」実現は不透明なままだ。
トヨタ自動車は、一時金(ボーナス)については7.1カ月と満額回答したが、ベアに相当する賃金改善分は月1500円と、前年実績を下回った。日産自動車は、ベアに相当する賃金改善分として月3000円を回答し、一時金も含め労組要求に満額で回答した。北米市場の販売増による好業績を社員に還元する。
横並びの回答が慣例となっているパナソニックや日立製作所などの電機大手は賃金改善分として月1500円で妥結。自動車業界よりも業績の先行き懸念が強く、昨年の3000円を半減した。