見逃せないのは近隣に同様の店が集まっている点だ。客はひとつの店だけでなく周辺の店も回る傾向にあるため、集客や売り上げで相乗効果が得られる。もとは新宿に立地していた広島や、日比谷にあった石川も銀座エリアに移転。呼応するように周辺に民間資本の店ができるなど、近年はアンテナショップの地域集中傾向に拍車がかかっている
相乗効果は市町村レベルの小規模ショップでもみられる。賃貸料などの維持費が嵩むため単体での出店が難しくても、テナントの棚貸しなどに応じれば地方の中小業者も出店できる。JR秋葉原駅の高架下で展開している「CHABARA(ちゃばら)」はその好例だ。年内には浅草に建設中の商業施設「東京楽天地浅草ビル」の1~4階にも同様のアンテナショップ「まるごとにっぽん」がオープンするという。
相乗効果は離れた場所に立地するアンテナショップでも創れる。11月1~3日には、東京南青山の「ふくい南青山291」と表参道の「新潟館ネスパス」を会場に全国16店舗・17自治体が参加して「アンテナショップフェスティバル」が開かれた。約2000点のご当地グルメが楽しめるとあって、7回目を迎えた今年も両会場合計で2万1300人の来場者があった。「情報発信やPRではヨコのつながりが大事です」とふくい南青山291の井上義信館長は語った。