“高層タワマン節税”は「都市伝説」だった?! 格差社会ニッポンの実態 (2/7ページ)

2015.6.28 17:04

相続税対策の基本から、巷に流布する「都市伝説」までを分かりやすく紹介し、人気を集める「やってはいけない相続対策」

相続税対策の基本から、巷に流布する「都市伝説」までを分かりやすく紹介し、人気を集める「やってはいけない相続対策」【拡大】

 「やってはいけない相続対策」(小学館新書、720円+税 http://www.shogakukan.co.jp/books/09825225 )。著者は大阪府出身の元国税調査官、大村大次郎(おおむら・おおじろう)さんで、昨年12月1日の発売以来、売り上げを伸ばし、現在3万部(4刷)。7月初旬にまた増刷されるという。

 まずは、この本を手にとった方なら、いきなり冒頭に紹介される以下のような国税による“タワマン節税”全否定の逸話に驚くだろう。

 <会社経営者のK氏は「タワマンは高層階でも低層階でも相続税の評価基準は同じ」という話を聞き、自宅とは別にタワマンの高層階の1室を3億円で購入します。相続税の資産評価額は5000万円。タワマンを買うだけで3億円の資産を5000万円として申告できるというわけです>

 <マンション購入の2カ月後、K氏は亡くなり、遺族たちはK氏の死亡から4カ月後に相続税の申告をします。タワマンの評価額は予定通り5000万円。K氏の相続遺産は、このタワマンの他は預貯金、証券などの金融資産が3000万円で、K氏の法定相続人は妻と子供3人の計4人。しかし配偶者が遺産を相続する場合、1億6000万円までは相続税がかからないという特例を利用するため、妻がほとんどの遺産を相続し、K氏の遺族は相続税を支払わずに済みました。そして数カ月後、タワマンを売却。売買手数料などで1000万ほど損しましたが、相続税に比べれば安いものです>

ところがある日、国税がやってきてこう言う

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