コレステロールを含む食品は動物性タンパク質や脂溶性ビタミンなどを含む物も多い。厚労省の報告書には「高齢者では摂取量を制限すると低栄養を生じる可能性があり注意が必要」とあり、高齢者には適度な摂取を推奨している。ただし、コレステロールなど脂質は他の栄養素に比べカロリーがあり、食べ過ぎればカロリーオーバーとなる点は注意が必要だ。
日本脂質栄養学会の小林哲幸理事長は「食事のコレステロールを気にする必要はないが、脂質の量と質には気をつけてほしい。脂質の中でも現代人に不足しがちな必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸などをバランス良く取ることが大事。それには魚や野菜を使った伝統的な和食がお勧め」と話している。
■動脈硬化性疾患、男女で発症リスクに差
日本動脈硬化学会は、LDL(悪玉)コレステロール値が高い人は従来通り摂取制限が推奨されるとするが、高い人とはどの程度をいうのか。同学会は140以上を「高LDLコレステロール血症」と定義する。しかし、日本脂質栄養学会は「LDLが高い方がむしろ長生き」とするなど論争が続いている。