精神科医の勝田吉彰・関西福祉大学教授は「少し味が変わっただけで下痢をするデリケートな子供はいる。子供は大人より暗示にかかりやすく、集団パニックが起こりやすい。『おなかが痛い?』と聞かれたり、他の子が腹痛を訴えたりするのを見て、それまで症状のなかった子供も痛みを感じたり、下痢をしたりすることは十分ある」と指摘する。
においや味は食品の腐敗などを知る手掛かりの一つ。子供たちの訴えは無視できないが、雪印メグミルクの場合、同じ工場から出荷した一般用牛乳で同様の訴えはなかったという。日本乳業協会の石原哲雄常任理事は「牛乳は新鮮な生もので、工業製品のように常に同じというわけにはいかない。大きく違うことのないように品質管理をしているが、気温や湿度、乳牛の餌など飼育環境の変化で風味が変わりうることを理解してほしい」と話している。