さいたま市は以前から父子手帳を配布していたが、3月から新たに地元のNPO法人や父親グループが協力し、父親目線の『父子手帖~さいたま市で父になる。』を発行した。
子供の誕生の瞬間や寝返りをしたとき、初めて立ったときの気持ちを書き込む記録のページが多い。住民からの子育て応援メッセージや子供との散歩の魅力なども掲載されている。
担当の小沢千佳子さん(52)は「都心に仕事があり、さいたま市には夜遅く帰るというお父さんも多い。しかし、母親だけの子育ては負担が大きく、父母だけでも無理。子育てにはもっと多くの人の関わりが必要。子育てを通じて地元を知り、好きになってほしい」。
作成に協力した父親グループ「さいパパ」代表の紅谷弘二さん(45)は「一昔前は企業戦士と呼ばれ、現役時代は子育てに関わらない男性が多かった。しかし、小さな子供と関わることができるのは人生の中のわずかな時間。『父子手帖』をきっかけに、人生で何を大切にするのかを考える機会にしてほしい」と話している。