保険外併用療養を効率化することは重要だが、保険適用に至る期間が延びたら患者の利益にならない。費用対効果の観点は重要だが、関係者を交え、丁寧に検討すべきで、規制改革の観点からすることではない。選択療養をつくるなら、未承認の薬や治療がそこに留め置かれないよう、適切なデータを蓄積し、期待した効果が出なければ外す道筋も求められる。
165品目の行方は
規制改革会議が選択療養を求める背景には、欧米で承認されながら日本で使えない「ドラッグラグ」の問題がある。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の未承認薬データベースによると、その数は165品目。原因は承認の遅れよりも、製薬会社の開発申請の遅れといわれる。
4月23日、厚労相の諮問機関「中央社会保険医療協議会」で、診療側委員が製薬会社幹部に苦言を呈す場面があった。「現場ではドラッグラグがあるから治療に困るという話を聞かない。しかし、165品目の開発ラグがあることで、規制改革会議が選択療養をつくろうと提案している。製薬会社は、どう責任を果たすのか。本気で開発ラグを解消する意思を示してほしい」