保険適用への道は
最大の論点は、選択療養によって、未承認の治療や薬が保険適用につながるかどうかだ。
規制改革会議は「皆保険制度の維持」を掲げる。選択療養をつくることは、今まで水面下にあった自由診療のデータを集積することになり、保険適用への道が開ける、との立場だ。
だが、保険適用につなげるには、データは用法や用量を定めた実施計画に基づいたものが必要だ。片木さんは「保険適用を目指すには、有効活用できる質の高いデータが必要。いい加減なことでは困る。それで治療薬が売れるなら製薬会社は治験を中止しかねない。それではドラッグラグは悪化する」と指摘する。
規制改革会議の中からは、こんな声も漏れる。「ここで対象になったものを全部、将来、保険収載していこうというようなことを、もともと考えているわけではない」
「費用対効果の面から考えて(選択療養に)とどめておく、といった議論もしているので(その点を)強調すべきだ」