炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機では、燃料が圧力容器を突き破り、外側の格納容器の底まで落ちたとみられている。しかし5年近くたってもその姿は確認できない。
昨年は格納容器内にロボットを投入して、デブリを探索する作業が行われたが、調査は難航している。
1号機に投入したロボは、容器内部の撮影に初めて成功したものの、底には水がたまり水中ロボの開発が必要なことが分かった。2号機では、作業員が近づいてロボを投入する入り口付近の放射線量が高く、除染の必要があるため調査を半年近く延期している。
廃炉の工程表では、平成29年度前半にデブリの取り出し工法を固め、33年度までにデブリの取り出し着手という目標を掲げている。
だがデブリがどこにどのような状態で存在しているのかが分からなければ、目標の完遂は難しい。
取り出し工法は、格納容器に水を張り放射性物質を拡散させずに取り出す「冠水工法」が最も安全だが、破損した容器を補修し水が漏れないようにする課題がある。
このため、水を張らない「気中工法」も案としてあがっている。この場合、周囲への放射性物質の飛散を防ぐ対策が求められる。