□石川和男・NPO法人社会保障経済研究所代表
今月15日に福島県議会議員選挙が行われた。定員58人に対し、自民党は26議席で選挙前から2議席減、民主党は15議席で3議席増となった。公明党は3議席、共産党は5議席、社民党は1議席、無所属は8議席。投票率は46.67%で過去最低。地方政治への関心の低さはいかんともしがたいが、今回の選挙によって政治勢力図はほとんど変わっていないと見るべきであろう。
福島といえば、まず頭に浮かぶのが東京電力福島第1原子力発電所。2011年3月の東日本大震災による大津波被災で事故を起こした。ただ、その一方で、福島第2原発は、どうだったか。震災時に大津波に襲われ被害を受けたものの、原子炉の安全は維持されている。今後も技術的には再稼働は可能だ。既設の原発は、安価で安定した電力を供給できるだけではない。将来必ず訪れる長期間の廃炉工程で必要となる資金を積み立てる役割がある。
これは、日本で原発事業が始まったときから、国会はもちろん、原発が立地する自治体でも、マスメディアの報道でも公然のことだ。原発は自身の始末に要する資金を自らためる長期事業だ。いたずらに停止させ続けることで、原子力技術者の人材が育たなくなる方が、将来的な安全性の確保に支障を及ぼす。原子力安全は、廃炉が完了するまで確保されなければならない。