東京電力は20日、福島第1原発3号機の原子炉格納容器に計測器とカメラを投入し、内部を調査した結果、放射線量は最大で毎時約1シーベルトで、壁面に大きな損傷は確認されなかったと発表した。3号機の格納容器内部にカメラが入るのは初めて。
調査は、事故で炉心から溶け落ちた燃料(デブリ)の取り出しに向けて、炉内の状況を調べるのが目的。この日は、格納容器の貫通部分から線量計付きの小型カメラを投入して空間部を調査した後、カメラを容器の底に降ろして炉内にたまった汚染水の水位や温度を測定した。
汚染水の水位は底面から約6.5メートルで、推定値とほぼ同じだった。温度は空間部で26~27度、水中で約33~35度だった。22日には内部の水を採取して放射性物質の濃度などを調べる。
デブリ取り出しに向けた作業では、1号機で今年4月にロボットを用いた炉内調査を実施。2号機でも準備を進めているが、デブリの状態や量は明らかになっていない。
3号機は1、2号機に比べて容器内の水位が高く、デブリの詳細な調査には水中で作業できるロボットの開発や、容器内の水抜きなどが必要になるとみられる。