8日の原発敷地内は、うっすらと降り積もった雪が見えたものの、晴れ渡った空がまぶしいほどだった。事故から数年間は、敷地にはがれきなどが散乱し、津波でひっくり返った車も置きっぱなしだったが、敷地の隅々まで目が行き届くようになり、整然とした工事現場に様変わりしている。
記者は、福島第1原発構内に定期的に訪れており今回で7回目。初めて原発構内に入ったのは3年半前だ。今回と違い過去5回は顔全体を覆う全面マスクが必要で、頭を締め付け息苦しさで吐き気を催したのを覚えている。1号機と2号機をバスで通り過ぎただけで放射線量が100倍以上も上がり、冷や汗が流れた感覚が今でも残る。
そうした当時と比べると、作業環境は格段に良くなっている。
原子炉建屋に近づくためには口だけを覆う半面マスクが必要だったものの、敷地内でも普通の服で出歩くのが可能な区域が設けられたことには驚かされた。敷地の9割で全面マスクは不要だという。