えさは、配合飼料とともにサバやイカナゴなどの生えさを併用。内臓が活性化するように栄養分が豊富になるように改良を重ね、海が荒れたときにいけすまで行けないときのために自動給餌機を取り入れた。
ツナドリーム五島の高橋誠取締役は「稚魚のストレスをいかに軽くするかが重要。えさは、栄養バランスや腹持ちまで考えた。ここまでやると、出荷のときに一抹の寂しさを感じるようになったくらい」と笑う。
そして中間育成事業の参入2年目の23年度には生存率は35%にはね上がり、1万5千匹を出荷。事業も軌道に乗り出した。
24年度は大型台風の影響で生存率17%、25年度は猛暑と赤潮の発生で生存率26%にとどまったが、今年度は生存率35%、幼魚5万2500匹の出荷を見込んでいる。
完全養殖マグロの将来
豊田通商は、ツナドリーム五島の近くで、稚魚を生産する別の子会社「ツナドリーム五島種苗センター」を来年5月から稼働する予定。和歌山県内にある近大の施設から稚魚を運んだ場合、中間育成のいけすに運ぶ際に半分程度が死んでしまうことに対応し、輸送中の稚魚の死を防ぐのが狙いだ。