この日は、水路に鉄筋コンクリート製の防潮堤(高さ1.5メートル、厚さ30センチ)を設置し、津波を衝突させる実験を公開した。鋭くとがった津波の先端が防潮堤にぶつかると、「ザバーン」という大きな音が響き、激しく跳ね上がって、あっという間に防潮堤を乗り越えた。
5月下旬まで防潮堤の実験を繰り返し、耐久性や津波の威力などを調べる。政府や電力会社からの受託実験にも応じる。
東日本大震災では、原発のほか、東電広野火力発電所(福島県)なども津波に襲われた。また、将来の南海トラフ巨大地震で津波が発生した場合、最悪で計880万キロワット分の火力発電所が4カ月以上復旧できないことが電力各社の試算で判明している。電中研や電力各社は、実験データから津波に強い電力設備の設計などに役立てる。