2014.3.8 12:06
1、3号機の水素爆発の仕組み【拡大】
【東日本大震災3年】
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故では、多くの住民が避難生活を余儀なくされたままで、甚大な被害が今も続き復興を長引かせている。原発事故を引き起こした原因について東電は解明を進めているが、3年を経ようとしても依然として未解明な部分が多い。原子力安全委員会の委員長だった班目(まだらめ)春樹氏(65)は産経新聞のインタビューで事故当時の状況を振り返った。
福島第1原発事故では、原子炉の損傷状態や水素爆発の全容は依然として解明できていない。高線量の放射線が障害となり、原子炉を直接確認することができないためだ。東電は状態の解明につながる未解明事項を設定し調査を続け、平成27年末までに全ての項目で結論を出す見通しだが、全容解明にはなお時間がかかりそうだ。
東電は事故後、当時の格納容器内圧力の変動や、冷却配管からの空気の漏洩(ろうえい)など52項目の未解明事項を設定。データを分析することで当時の状況を再現しようと試みている。
これまでに優先的に調査した重要10項目の検討結果を発表したが、1~4号機では「事故当時何が起こったのか、全容はまだ分かっていないことの方が多い」(東電)という。