地に墜ちた名門「阪急阪神」ブランド 身から出たさび…危機管理意識薄く (5/5ページ)

2013.11.3 06:00

大阪市北区の新阪急ホテル。阪急阪神ホテルズは、ホテル事業の現場に精通した生え抜きの藤本和秀新社長のもとで信頼回復と再生に取り組むが、道は険しい=10月23日午後、大阪市北区(頼光和弘撮影)

大阪市北区の新阪急ホテル。阪急阪神ホテルズは、ホテル事業の現場に精通した生え抜きの藤本和秀新社長のもとで信頼回復と再生に取り組むが、道は険しい=10月23日午後、大阪市北区(頼光和弘撮影)【拡大】

 そもそも、ホテルズが消費者庁に報告したのは10月7日。公表までに2週間の「空白」があった。ホテルズ側は「各ホテルからの報告の集約や漏れがないかを確認していた」としているが、江良氏は「報告と同時に公表すべきで、問題を甘くみすぎていた」と批判。蔵本氏も「危機管理意識が薄すぎる」とあきれる。

 ホテルズでは2代続いた阪急電鉄出身者に代わって初の生え抜きの新社長が就任。阪急阪神HDから法令順守(コンプライアンス)に詳しい取締役を非常勤の会長に迎え、グループ全体でブランドイメージの回復に向けて一歩踏み出した。

 だが、信頼回復への道は険しい。「大きなキャンセルはなく、他事業にも大きな影響が出ている状況にはない」(阪急阪神HDの若林常夫取締約)とはいえ、影響の広がりに関する見通しは立っていない。阪急阪神HDの25年9月中間連結決算は増収増益となったが、26年3月期通期の業績予想は据え置いたのがその証拠だ。傷は容易には癒えそうにない。

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