そもそも、ホテルズが消費者庁に報告したのは10月7日。公表までに2週間の「空白」があった。ホテルズ側は「各ホテルからの報告の集約や漏れがないかを確認していた」としているが、江良氏は「報告と同時に公表すべきで、問題を甘くみすぎていた」と批判。蔵本氏も「危機管理意識が薄すぎる」とあきれる。
ホテルズでは2代続いた阪急電鉄出身者に代わって初の生え抜きの新社長が就任。阪急阪神HDから法令順守(コンプライアンス)に詳しい取締役を非常勤の会長に迎え、グループ全体でブランドイメージの回復に向けて一歩踏み出した。
だが、信頼回復への道は険しい。「大きなキャンセルはなく、他事業にも大きな影響が出ている状況にはない」(阪急阪神HDの若林常夫取締約)とはいえ、影響の広がりに関する見通しは立っていない。阪急阪神HDの25年9月中間連結決算は増収増益となったが、26年3月期通期の業績予想は据え置いたのがその証拠だ。傷は容易には癒えそうにない。