地に墜ちた名門「阪急阪神」ブランド 身から出たさび…危機管理意識薄く (3/5ページ)

2013.11.3 06:00

大阪市北区の新阪急ホテル。阪急阪神ホテルズは、ホテル事業の現場に精通した生え抜きの藤本和秀新社長のもとで信頼回復と再生に取り組むが、道は険しい=10月23日午後、大阪市北区(頼光和弘撮影)

大阪市北区の新阪急ホテル。阪急阪神ホテルズは、ホテル事業の現場に精通した生え抜きの藤本和秀新社長のもとで信頼回復と再生に取り組むが、道は険しい=10月23日午後、大阪市北区(頼光和弘撮影)【拡大】

 会見では役員報酬の返上することを発表し、辞任は否定。だが、偽装表示について「従業員が意図を持って表示し、利益を得ようとした事実はない。誤表示だ」「あくまで社員の知識不足によるもの」と言い放ち、詰めかけたマスコミからは時折失笑すら漏れた。

 社長は引責辞任したが…

 名門ホテルの偽装表示の波紋は大きく広がった。翌25日には、そごう・西武(東京)が宝塚ホテル(兵庫県宝塚市)などホテルズ系列のおせち料理の見本をいったん全店の店頭から撤去したことが判明。直営ホテルなどには消費者からの怒りの電話などが殺到し、ホテルズやHDのホームページも一時つながりにくくなった。

 事態の深刻さにようやく気づいたのか、出崎氏は再び会見を設定。当初29日午前としたが、同氏が一部偽装を認めたとの報道が流れたのを受け、前日の28日夜に急遽前倒しで行われた。出崎氏はここで「偽装と受け取られても仕方ない」と一転して偽装を認め、「信用失墜、批判の高まりがグループの各社に及び、責任は非常に重い」として辞任を表明した。

「消費者目線が欠落している証拠だ。身から出たさびとしかいいようがない」

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