北千住から、という複々線の区間設定に、何か感じるものはないだろうか。それは、都市交通の全体性を考えて、自社で運ぶ利益を削ってでも人々を都心に送り込むという、目的を果たそうとすることだ。
東京メトロ半蔵門線と東武伊勢崎線の直通運転が始まったのは、2003年と意外と最近のことである。それまでは、現在はとうきょうスカイツリーと名前を変えてしまった業平橋まで10両編成の列車が使用され、乗客はそこで降りて押上まで歩いてもらっていた。ただ、半蔵門線との直通運転の開始によって、現在は直通の便が走っている。
さまざまな方向から直通してくる列車を伊勢崎線にまとめ上げるために、複々線は大きな役割を果たしている。なお、半蔵門線は、東急田園都市線に直通している。
東上線の短い複々線は?
乗客の多い東武の路線をみると、東武東上線がある。池袋から寄居へ向かう路線だ。この路線には、和光市から志木までの短い区間に、複々線が設定されている。
東上線には、副都心線や有楽町線に乗り入れる列車がある。有楽町線との相互直通運転開始のときに、複々線にしたのだ。副都心線からは、さらに東急東横線に乗り入れる。