大リーグは日本時間の15日、一斉にキャンプ・インする。一方、日本のプロ野球は今がキャンプの佳境。来週末から春季非公式試合も始まり、野球ファンが待ちかねた球春到来だ。
プロ野球のキャンプが春を告げる風物詩となって久しい。ただ今年はいつもと少し違うキャンプ地の姿があった。
一つは各球団主力選手の仕上がりの早さ。新聞のスポーツ欄やテレビのスポーツニュースでも報じられている通り、3月上旬に1次ラウンドが開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の影響である。日本代表の選手たちはWBCに照準を合わせている。
もう一つは、ファンをめぐる自治体の動きである。
これまでも、キャンプ期間中に選手とファンとの交流などが行われていた。ただ、それはキャンプを訪れたファンに感謝の意味もこめ、球団が企画したイベントが主だった。そこに地元自治体の登場はなかった。
◆県を挙げてアピール
ところが今年、自治体を挙げてファンを取り込もうという動きが起きている。以下は担当記者たちに聞いた話だ。
巨人やソフトバンク、オリックスがキャンプをはる宮崎市では宮崎観光コンベンション協会の動きが目立っている。協会に関わる関係者が3球団のマークをあしらったTシャツを着用、宮崎市を売り込む。
名産品や名物料理をそろえたブースを出店、飲食店や観光スポットを紹介する無料のガイドブックも配られた。ベテランの担当記者は「これまで、こんな熱心な取り組みは見たことがなかった」と驚く。
沖縄は宮崎を上回る“キャンプ銀座”である。ここでは県を挙げた取り組みが目を引いた。
これまでも「プロ野球・沖縄キャンプ・ガイドブック」を作成。キャンプ見学に行くファンに球団情報や周辺情報を届けてきた。私も沖縄を訪問した際、随分と重宝した。