2020年東京五輪・パラリンピックのバレーボール会場として、有明アリーナ(東京都江東区)新設が決まった。
「都民ファースト」の目線から3会場の見直しを仕掛けた小池百合子知事は、こだわり続けた既存施設の活用を実現できず、独自色が薄れた決着を迎えた。
ただ、3会場で約400億円の整備費削減につなげており、当初は冷ややかだった都の事務方からも評価の声が上がる。
有明アリーナ新設を表明した16日の定例会見。整備費約400億円削減を図示するスクリーンの横で、小池氏は「『3会場は前のところと同じ』と言われるかもしれないが、こういう状況を皆さんは目の当たりにした」と強調した。
民間資金を活用して有明アリーナを運営し、地域を発展させる構想を披露し、「時間を浪費したとは私は思っていません。都民の皆さんと一体感が生まれたと思いたい」。
五輪の大会経費の膨張を危惧する小池氏は9月に調査チームを設置し、既存施設活用の道を探り続けてきた。ボート・カヌー会場の「長沼ボート場」(宮城県登米市)案を目玉に据え、現地視察など精力的に動いた。
しかし、早くから国際オリンピック委員会(IOC)側から難色を示され、代わりに有力案として浮上したのがバレーボール会場での横浜アリーナ(横浜市)活用だった。